自毛植毛
更新日:2011年7月6日
自毛植毛とは
自毛植毛はすでに80年以上の歴史のある薄毛治療法です。1939年に奥田正二医師が発表した自毛植毛法は、1959年にアメリカのノーマン・オレントライヒ博士がAGA治療の施術法として発展させ、今日にいたっているといわれています。
自分の髪の毛を毛根部分から外科的に採取して、薄毛部分に植えるという非常にシンプルな治療法ですが、薬剤の服用や塗布と違って、自分の髪の毛を生やし続ける根本的なAGA治療でもあります。
自毛植毛にはいくつかの種類がありますが、基本的にはご自身の後頭部や側頭部の薄毛になりにくい性質の髪の毛を手術等で移植する形がスタンダードです。移植した髪の毛は薄毛になりにくい状態のまま生え続けるので、移植部分が再度薄毛になる可能性は非常に低いといわれています。また、自分の毛髪・毛根なので、移植時の拒絶反応等も無く、自然な状態で薄毛の改善が行えます。行きたい毛髪を毛根ごと移植するため、抜けてもまた生え変わるので、移植した毛髪を特にメンテナンス等する必要もありません。
自毛植毛の種類
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FUT法
FUT法という呼び方の由来は「Follicular Unit(毛包単位) Transplantation(移植)」の頭文字を取った略字からきています。毛包を1つずつ移植する方法で、世界でもっとも盛んに用いられている方法です。AGAでも後頭部の髪の毛は軟毛化しませんので、健康な後頭部(ドナー)から「幅1cm×長さ10~20cm程度」にかけて頭皮ごと切り取り、毛包ごとに株分けをして髪の毛を移植します。メスを使用した外科的手術となるため、毛包の採取後に縫合をしなければならず、傷口の完治に時間がかかるデメリットがあります。
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FUE法
FUE法という呼び方の由来は「Follicular Unit(毛包単位) Extraction(抽出)」の頭文字を取った略字からきています。パンチと呼ばれる器具を使用して毛包を1つずつくり抜いて採取する方法で、FUT法よりも新しい植毛の施術方式です。特徴として、FUT法よりも毛包を採取した時の傷跡が目立たないことが挙げられます。後頭部から直径1~1.3mmの幅で毛根をくり抜き、薄毛部分に移植します。ただ、毛包を一つ一つ人力で採取・植え込みを行うため施術時間が長くなり、費用も高額になるデメリットもあります。
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CHOI法
植毛針と呼ばれる極細針を使用して、穴開けと植え込みを同時に行う施術方法です。生え方の角度などを調整しながら1本ずつ人力で植え込むため、生え際などを自然にボリュームアップさせることができます。ただしCHOI法も施術に時間がかかるため、費用が高額となる場合があります。また、広い面積に対応するのが難しい施術法でもあります。
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ARTAS植毛
最先端の医療ロボット「ARTAS」を使用する自毛植毛で、ARTASに内臓された針で移植用の毛包を採取して植え付けます。施術方法的にはFUE法の一種といえます。4つのCCDカメラで毛根を採取する部分を撮影してリアルタイムでデジタル処理した画像をもとにロボットアームで正確な施術を行います。メスを使用しないため毛根を傷つけず、短時間で施術が行える特徴があります。採取した毛根は手作業で植毛されます。
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スマートグラフト植毛
スマートグラフトと呼ばれる最新機器を使用する植毛方法で、内臓された冷却による新鮮保存機能付きのドリルを使って毛髪を採取し、植え付ける施術方法です。採取された毛髪は毛根ごと冷却保存され、細胞を新鮮な状態で植毛することが可能です。また、スマートグラフトの特徴として、染めた毛髪や白髪にも対応して毛髪を採取することができるので、より自然な仕上がりが期待できます。新鮮な状態での植毛なため、傷口の回復も早く、比較的ダウンタイムの少ない施術法といえます。
自毛植毛の効果
採取した毛包を手作業により移植するため自然に生えた毛髪とほとんど区別がつきません。自分の髪の毛を移植するため、全体の髪の毛の本数は変わりませんが、ボリュームが出るように計算して移植するため、髪の毛が増えたように見えます。
自毛植毛の施術期間
自毛植毛の施術自体は当日のみで完了することが多いとされています。
髪がふさふさし始めたなと実感できるのは、ヘアサイクルのタイミングにもよりますが、大体早くて3~4ヶ月後、遅くとも半年後くらいにはそれなりの実感が出てくるでしょう。基本的に自毛植毛の場合、定期的な外用薬の塗布や治療薬の服用などは必要ありません。1度植毛すれば、植え付けた髪が生え続けるのでメンテナンスを行わなくて大丈夫です。ただし、生活習慣の乱れやストレス等で薄毛になる可能性もあるため、健康的な生活習慣をおくるよう心がけましょう。
自毛植毛の副作用
副作用は術後の頭皮のつっぱりや、傷跡のかゆみ、にじむような出血などが起こることがあります。まれに一時的な抜け毛が起こることがありますが、このとき抜けた髪の毛は再び成長します。
(※効果、副作用の症状には個人差があります。)
自毛植毛の注意点
自毛植毛は特に副作用などはありませんが、施術方法によっては施術時間が長時間になったり、費用がかなり高額になるなどの注意点があります。
自毛植毛の費用面
自毛植毛の施術は基本的にかなり高額となります。
これは特殊な装置や器具を使用するということもありますが、一度処置を行えば根本的に治療が可能という点も費用に比例しているといえます。どの施術法も最低でも50万円前後で、クリニックや施術法によっては100万円以上の費用が発生する場合もあるのでご注意ください。
費用の詳細は各クリニックにお問い合わせをお願い致します。
自毛植毛の施術を受けるまで
病院で行われる自毛植毛の流れを解説いたします。
ステップ1 診察・カウンセリング
まずは予約をし、事前カウンセリングを行います。主に植毛の悩みや疑問をヒアリングしたり、プラン、植毛部分のデザイン、費用などを話し合い、植毛施術の実施日を決めます。医療機関によっては、植毛施術の可否を正確に調べるため、採血検査を行うところもあります。
ステップ2 施術当日
施術予定日に再来院し、植毛の施術を受けます。施術終了後は、日常生活上の注意点についてアドバイスを受け、その日に帰宅することができます。
ステップ3 施術後のケア
施術の翌日や翌々日に再来院し、包帯取りや植毛部のガーゼ抜糸など、施術後のケアを受けるケースが一般的です。施術を受けてから何日経過で何度来院するかなど、施術後のケアの対応は医療機関ごとに違いがあります。
自毛植毛を行っている病院
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