ザガーロ
更新日:2020年3月11日
ザガーロとは
イギリスに本社をもつ世界的な製薬会社である「グラクソ・スミスクライン株式会社(以下GSK)」が開発した、プロペシアに次ぐ第2のAGA治療薬といわれる経口型の男性型脱毛症AGAの治療薬で、ピンク色の楕円形のカプセルタイプなのが特徴です。
プロペシアと同じく、当初は前立腺肥大の治療薬として開発・販売されていましたが、AGA治療への効果が認められたため、AGA治療薬としても販売が開始されました。日本でも2009年に前立腺肥大症の治療薬として厚生労働省に認可され、すでに発売されていました。
日本におけるザガーロの販売は、GSK株式会社が2015年に厚生労働省から認可を受け、2016年から国内販売が開始されました。現在では0.1mgと0.5mgの2種類が販売されており、「ザガーロ」という名称はGSK株式会社の商標登録とされています。
「ザガーロ」という名称の由来は、究極との意味を持つ「Z」と「AGA」を組み合わせた造語といわれています。
ザガーロの有効成分
ザガーロの有効成分はデュタステリドと呼ばれる成分で、白色~微黄色の粉末です。デュタステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する1型及び2型5α還元酵素を阻害する効果があり、ジヒドロテストステロンの生成を抑える事で、頭髪の脱毛が抑制されるとされています。
同じAGA治療薬のプロペシアの有効成分であるフィナステリドよりも治療効果があるといわれており、フィナステリドでは期待できなかった増毛効果も期待できる有効成分です。しかし毛根そのものが失われた頭皮部分に関しては毛髪が再生されるわけではないのでご注意ください。デュタステリドで期待できる増毛効果というのは、毛髪が太く長くなり、一つの毛根から複数の毛髪が生えてくるという点です。
ザガーロの効果
ザガーロは男性型脱毛症いわゆるAGAの治療に効果・効能のある医薬品で、5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害して、男性ホルモンテストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に転換されるのを抑制することで、発毛を促す効果があります。
ザガーロの有効成分であるデュタステリドが、AGAの原因であるDHTの生成を抑制し、ヘアサイクルを長期化させることで、細くなった髪にコシが出たり、毛穴から毛髪が成長するため、結果的に発毛につながる効果が期待できます。
プロペシアよりも1.5倍前後の高い効果があるといわれています。
ただしザガーロの有効成分であるデュタステリドはAGAには効果が認められていますが、円形脱毛症への効果は無いとされています。
ザガーロの服用期間
プロペシアと同様に、ザガーロを服用してから実際に効果があらわれるまで、最短でも3ヶ月、一般的には6ヶ月以上の時間がかかるとされています。1日1回のザガーロ服用が原則で、それを半年以上継続する必要があります。もし途中でザガーロの服用を中止した場合、効果は持続せずにAGA症状が進行してしまうのでご注意ください。
ザガーロの副作用
ザガーロを服用すると稀に「勃起不全」や「性欲減退」、「射精障害」などの副作用があるとされています。
ザガーロの副作用でこれらED等を発症する確率は3~5%程度といわれており、プロペシアよりは副作用発症の可能性はあるとされています。もし該当する副作用の症状が現れた場合は、医療機関にて医師にご相談ください。
ザガーロ服用時の注意点
ザガーロの服用の際には以下のことにご注意ください。
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AGA以外の症状
ザガーロの有効成分デュタステリドはAGA治療のみに効果があるので、円形脱毛症や抗がん剤治療などによる脱毛には効果が認められていません。
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献血
ザガーロ服用中の献血はできません。献血した血液が、妊婦に輸血されることを防ぐためです。服用を中止して6ヶ月以上経過している場合は、血中に含まれるデュタステリドの成分が無くなっていると考えてよいので、献血をすることができます。
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人間ドック
前立腺がんの腫瘍マーカー検査(血液中の成分を調べ、腫瘍の発生を調べる検査)においては注意が必要です。血中PSAという成分の値が、ザガーロ服用中は正常値の半分程度になってしまい、検査結果を正確に判断することが出来なくなるおそれがあるので、事前に申告することが必要です。
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肝臓
ザガーロに限らず、多くの薬剤は肝臓で分解されるため、肝機能が低下した状態での服用は肝臓にダメージを与えかねません。肝機能障害をもった方は医師との相談が不可欠になります。
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未成年
プロペシアと同様に、20歳未満の未成年に対してザガーロの安全性と効果が認められていないため、未成年へのザガーロの処方はできません。
妊婦への影響
ザガーロはプロペシアと同様に女性への効果は確認されていませんので、妊婦などへの危険な副作用があるため、女性のザガーロ服用は禁止されています。
もし妊娠中にザガーロを服用してしまうと、胎児が男児だった場合には、生殖器に奇形がみられる可能性があり大変危険です。また、授乳期間においても、母乳を通して乳児に同様の影響を及ぼすことが考えられるため、服用はもちろんのこと、分割・粉砕した薬剤に触れることも禁止されています。
ただしザガーロ服用中の男性との性行為の際に、女性側に精液を通じてデュタステリドが移行することはほとんどありませんが、ゼロではないので十分注意が必要でしょう。妊活中はザガーロの服用を一旦中止するのが良いかと思います。最低でも子作りをする1ヶ月前からザガーロの服用を止めましょう。完全に精液にデュタステリドを移行させたくない場合は子作りの6ヶ月以上前からザガーロの服用を止める必要があります。
ザガーロの処方
病院でザガーロが処方されるまでの流れを解説します。
ステップ1 問診票に記入
病院に来て受付を済ませると問診票が渡されますので、待合室で問診表に健康状態などを記入します。特に肝臓が悪い方は必ず通院歴や症状を記入してください。ザガーロが服用できない場合があります。
ステップ2 AGAの診療
医師が薄毛部分を見て、AGAであるかどうか診断してもらいます。また、生活習慣のアドバイスやカウンセリングを受けられる病院もあります。
病院によっては、実際に自分の頭皮や毛髪の様子をファイバースコープなどを使って拡大した映像を見せてもらえたり、薄毛部分の写真撮影を行い、通院のたびに治療の経過観察をしてもらえます。
ステップ3 ザガーロの処方
診察終了後、ザガーロが処方されますので診察料や処方料、薬代を支払います。クレジットカードが利用できる病院もありますので、AGAの相談ができる病院検索をご利用ください。
ザガーロの費用面
ザガーロの処方はプロペシア等と同様に自由診療となるため、クリニックや医療機関によって価格が変動することも多いですが、一般的なザガーロの価格帯としては、1ヶ月分で10,000円前後という価格帯で、プロペシアよりも金額が高い場合が多いようです。クリニックによっては初回のみ安く、2回目以降から価格がアップするというところもあるようです。ザガーロの処方を考えている方はWEBサイトやクリニックへの問い合わせ等で事前に価格を確認しておくのが良いでしょう。
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ザガーロのジェネリックについて
現在、日本国内でザガーロのジェネリック薬は正規処方されておりません。これはザガーロの特許がまだ満了となっていないため、日本国内では厚生労働省が認可するザガーロのジェネリック薬の販売が認められていないからです。
ザガーロが処方できる病院
AGA治療に対応するクリニックをお電話でご案内
お近くにあるAGA治療の相談が可能なクリニックを、フリーダイヤルでご案内しています。
(月~土 9:00~18:00 / 日祝 休)
※AGA治療や治療薬に関するご質問なども承っております。お気軽にお電話ください。