髪の毛でがん検診
更新日:2011年8月10日
髪の毛でがん検診ができる時代が到来しました。髪の毛を使ったがん検診を実施しているのは、兵庫県とたつの市のひょうご科学技術協会で、2011年度より兵庫県佐用町にある大型放射光施設スプリング8を使い、髪の毛でがんを検査する新技術の実証事業を始めました。
髪の毛のカルシウムを調べる理由
スプリング8を使い髪の毛に含まれるカルシウムの濃度を調べると、がんの兆候が分かるとのことです。カルシウムには細胞内の情報を伝える役割があるため、県先端科学技術支援センターはカルシウム濃度とがんとの関連を研究した結果、がん発生時には細胞内のカルシウム濃度が高くなることを判明しました。
髪の毛をカルシウムを調べるサンプルに選んだ理由として、髪の毛のどの付近の細胞でカルシウム濃度が高いかを調べることで、がん発生時の時期を知ることができる利点があるそうです。
髪の毛を使ったがん検診の今後
カルシウムを調べることでがんの発見に役立てられるという研究を実証するため2007年からたつの市の企業の協力の下、従業員およそ400人の髪の毛を調べた結果、1名からがんを発見しました。
検査対象を広げるため、たつの市で行われる乳がん検診の際に髪の毛の提供を呼びかけ、髪の毛の分析結果とがん検診の結果を比べることで、がん発生時にカルシウム濃度が高まるメカニズムの解明に着手しました。髪の毛なら体への負担もありませんので、将来のがん検診は今と比べて非常に手軽なものになるのかもしれません。
※画像はイメージです。