頭皮にダニ!?あなたの頭皮にもダニがいる!?
更新日:2012年8月27日
人間の皮膚には皮膚常在真菌という菌が存在し、特に頭皮には毛穴がたくさんある関係で、他の部位よりもたくさんの皮膚常在菌が存在するということは、知っている方も多いのではないでしょうか?しかし、頭皮にはそのような菌だけではなく、「皮膚ダニ」と呼ばれるダニも生息しているということはご存知でしょうか?
皮膚ダニ、デモデクス
この皮膚ダニはデモデクスというダニで、皮脂の分泌が多い部分を中心にほぼ全身に生息しています。デモデクスは主に毛根や皮脂腺に住み、毛根部の栄養や皮脂をエサとして寄生しています。これらのダニは、一本の毛に対して3匹ほどいると言われ、10万~15万本の頭髪がある人間の頭皮には単純計算で30万~45万匹存在するということになります。異常繁殖してしまうと、髪に必要な栄養分や皮脂までもが食いつくされてしまい、フケ、痒み、かぶれなどの頭皮の炎症や抜け毛の一因になると言われています。
97%以上の人の頭皮に生息
そして、この皮膚ダニは実に約97%以上もの人の頭皮に生息しているという調査結果があります。皮膚ダニは人間が寝ている間に活動が活発になり、皮脂腺や毛根部から這い出してきて活動し、皮膚表面を排泄物や死骸などで汚染します。その後、再び毛穴の奥に戻っていきます。一度に産み付ける卵の数は約50個と言われ、約2週間でふ化し、脱皮を繰り返して成虫となります。この恐ろしい勢いの繁殖力で増え、接触などの経路で簡単に感染してしまうので、完全に予防、駆除するのは難しいと言えるでしょう。
異常繁殖を防ごう
しかしこの皮膚ダニ、悪さばかりしているイメージを持たれたかもしれませんが、実は大切な働きもしています。それは、脂肪性の分泌物を食べて処理するという役目です。もしこれらのダニを完全に駆除してしまうと、余分な皮脂が処理しきれなくなり、今度は別の皮膚トラブルを起こしてしまう可能性があるのです。要は皮膚ダニの異常繁殖を防いで、上手に共存していくことが大切です。
異常繁殖を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?現在のところ、通常の規則正しい生活を送っていれば、異常繁殖をすることはあまり無く、不規則な生活や非常に強いストレス、偏った食生活などで異常繁殖が起きやすくなるとのことです。そしてやはり、頭皮環境を良好に保つということに尽きます。特に汗や皮脂の分泌が多くなる季節は、毎日のシャンプーの他に頭皮クレンジングをするなど、頭皮に余分な皮脂を残さず、皮膚ダニのエサを増やし過ぎないということが大切だと言えるでしょう。