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日本発の毛髪再生医療の今

更新日:2013年6月25日

日本発の毛髪再生医療の今毛髪再生医療は海外の企業の話題が多いのですが、日本独自の技術も別のアプローチで進められています。なかでも東京理科大の教授を中心とする研究グループが着々と研究の成果を発表し、海外の科学雑誌で注目を浴びています。

研究グループが目標としている毛髪再生医療のモデルは、AGA患者の頭皮でAGAの影響を受けない部位から、毛乳頭細胞などの細胞片を採取し、体外で毛包と呼ばれる髪の毛を作り出す器官を人為的に作成して増やし、患者の薄毛部分へ移植するというものです。

研究グループが行ったマウスを用いた実験では、マウスの胎児の細胞から毛包を作り出し、大人の無毛のマウスへ移植したところ毛包の再生に成功しました。それだけでなく毛包の周囲にある皮脂腺や立毛筋とも正常に作用することが確認されました。

皮脂腺とは頭皮の脂を分泌する器官で、立毛筋は毛を立たせ鳥肌を生じる小さな筋肉ですが、人為的に作成した毛包を移植するとそれらも機能し、毛の生え変わりも実証されたことで日本発の毛髪再生医療にも展望が見えて来ました。

また、毛包を移植する技術には自毛植毛のFUT法と呼ばれる技術が応用されています。FUT法はAGA患者の特定の部位にある毛包を繰り抜き、薄毛部分へ毛包を移植する方法で、従来の皮膚を切り取る方法よりも身体的負担が軽いため植毛の主流になりつつあります。

移植技術は既存のものが有効であることが判明したため、人間の毛包を人為的に作り出すことができれば実用化のメドが立ってくるのではないでしょうか。世界にさきがけた国産の再生医療技術の発展を応援せずにはいられません。

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