ストレスを阻害する物質にAGA治療の可能性
更新日:2011年7月31日
アストレシンBと呼ばれるストレスをブロックする働きのある化合物に、発毛効果があることが判明しました。
アストレシンBに発毛効果の可能性を発見したのは、アメリカのカルフォルニア大学ロサンゼルス校と退役軍人省の研究チームで、この発見は本当に偶然だったとのことです。もともとは発毛の実験ではなく、マウスを使ったストレスホルモンをブロックする働きのある薬が消化器系にどのような影響を及ぼすかの実験でした。
この実験に使われたマウスは、慢性ストレス状態になるように遺伝子を組換えられていたため、ストレスによりマウスの背中の毛は全て抜けてしまいました。その慢性ストレス状態のマウスにアストレシンBを投与したところ、何ら効果は現れませんでした。そのため実験を中断し、このマウスは毛の生えたマウスのいるゲージに戻されました。
アストレシンBの発毛効果
3ヶ月後にまた実験のため、慢性ストレス状態のマウスをゲージ取り出そうとしたところ、他のマウスと見分けがつかないほど毛がフサフサになっていました。研究チームは毛のないマウスに、AGA治療に用いられるミノキシジルを投与する実験を行いましたが、慢性ストレス状態のマウスの発毛ほどの効果は見られなかったとのことです。
アストレシンBに対する反応はマウスも人間も同じため、アストレシンBが人間のAGAに対しても効果がある可能性があります。このミノキシジル以上の効果を期待できる未来のAGA治療薬は、5年以内に臨床試験を実施できる可能性があるそうです。
※画像はイメージです。